光触媒として主に使用されている物質は「二酸化チタン」です。この「二酸化チタン」はどの様な物質なのでしょうか?
 
二酸化チタンとは…
     

 

二酸化チタンは、わたしたちの身近なところで昔から多く使用されてきました。例えば、普段使っている歯磨き粉、化粧品、塗料などです。この場合二酸化チタンは白色の顔料として用いられてきました。現在でも製造されている二酸化チタンの大部分が顔料として使用されています。光触媒に使われているものはまだまだ少量なのです。

光触媒として使用されている二酸化チタンは主に、アナターゼ型の結晶構造をもつものが使われています。二酸化チタンの結晶構造には正方晶系のルチル型(高温型)アナターゼ型(低温型)、そして斜方晶型のブルッカイト型の3種類があります。このうち一般的なものは、塗料などの顔料にほとんどに用いられているルチル型と光触媒として使用されているアナターゼです。

 
 
単位格子図
 
ルチル型
 
アナターゼ型
 
     
 
二酸化チタンを光触媒として使うには、どうしたらよいのでしょうか?
     
つくり方
     
  二酸化チタンを光触媒として使う場合、粉末であるために何かに固定して使用することが必要となってきます。固定化の方法としては次のようなものがあります。  
     
 

二酸化チタン膜のつくり方
@ スラリー ・・・・・・・・・・
粉末の二酸化チタンを水などに溶かしたもの。しかしこれで成膜したものは非常に脆く、耐久性が低い。
 
A 有機バインダー ・・・・
有機バインダーを使用した場合、バインダー自体が分解され、二酸化チタンの粉がとれてしまうため使用が出来ない。
 
B 無機バインダー ・・・・
無機バインダーを使用した場合はバインダーが分解されることもなく耐久性はあるが、光触媒反応がおこるのは表面に出ている粉だけで大量に 使用しないと効果が薄いため、効率が悪くて使いにくい。
 
 
     
 

上記のように固定化には良い面と悪い面があります。
二酸化チタンを光触媒として効率よく使うには、どうしたらよいのでしょうか?

     
薄膜へのこだわり
     
  上記の「つくり方」で示した方法でつくられた光触媒膜での問題を解決するために、通産省工業技術院名古屋工業技術研究所(現 産業技術総合研究所)とともに、粉末の二酸化チタンを使用しない全表面が二酸化チタンで出来た薄膜の光触媒を成膜するという技術の開発に着手し、成功したのです。

薄膜光触媒は、チタンアルコキシドを出発原料とするゾルゲル法を使用してつくられています。
 
     
 
二酸化チタン膜の固定化方法の違い
バインダー固定膜
コーティング膜
 
     
 

薄膜光触媒はゾルゲル法で作成されています。ゾルゲル法って何でしょうか?

     
ゾルゲル法
     
  ゾルゲル法とはつぎのように定義されています。
 
     
 
金属の有機化合物溶液を出発原料として、溶液中の化合物の加水分解・重合によって溶液を金属の酸化物あるいは、水酸化物の微粒子が溶解したゾルとし、さらに反応を進ませてゲル化して出来た非晶質である多孔質ゲルを加熱して結晶体をつくる方式。

ゾルゲル
ディップコーター
 
     
  ゾルゲル法の原理を二酸化チタン膜の作成にあてはめると、金属の有機化合物であるチタンのアルコキシド加水分解によりチタンの水酸化物の微粒子が溶解したものがチタニアゾルと呼ばれるもので、これを焼成すると二酸化チタン膜が生成されるのです。  
     
 
 
     
 
 
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